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殺処分ゼロがスタート地点になった時

前回まで3度にわたり、
殺処分ゼロを目指す覚書を書いてきましたー。

(覚書:行政編企業編個人編

今の日本はまだ動物愛護先進国へと意識が向いてきたところですが、
国民性や国土の広さ、殺処分されて行く動物の数を考慮しても
日本が国レベル、県レベル、地域レベル、個人レベルで本気になれば
動物愛護前進国の仲間入り、
そして殺処分ゼロも決して夢物語でないように思います

それでは今回は殺処分ゼロがゴールではなくスタートになった時に
考えられる落とし穴や対策を挙げていきたいと思います


#1 安易に動物を捨てる人が増える
これはアメリカのレスキュー現場で皆が悲鳴をあげている問題ですが、
「殺処分されないから」と安易にシェルター(保健所)に動物を持ち込む飼い主さんが多いです。
シェルターにやってくる動物の中には、
いくつものマイクロチップや個別判断のTATOOが入っている子が少なくありません。

#2 多頭飼育を規制する必要性
動物が好きなあまりに自分では抱えきれない動物を飼育してしまい、
結果自分の首を絞めたり、ご近所とのトラブルになったり。
そして動物の命や健康が危ぶまれる可能性が出てきます。
ウチの住んでいるMD州では一般家庭で飼育出来る犬の数は3頭まで。
それ以上はライセンスの申請、審査、登録が必要になっています。

#3 マンパワー(ボランティア)や場所の確保
#2と矛盾しますが保健所では場所に限界があり、
保護頭数が限定されてしまいます。
動物を家で預かるフォスターボランティアさんや、
保健所で散歩や色々なお手伝いをしてくれるボランティアさんの確保が必要になってくると思います。

#4 動物愛護団体に関連したトラブルの取り締まり
日本のNPO団体の縛りがどのようなものかわかりませんが、
今後、動物福祉活動が盛んになれば
動物愛護団体さんや動物愛護活動にまつわるトラブルも増えてきます。
例えば書面上の縛りだけでなく、
連携する獣医さんからの証明書がなければ団体として活動出来ないなど
第三者の介入により運営がされるなどの取り決めがあればと思います。
それでも悪い事をする人はするんでしょうけどねぇ^^;

#5 犬種の規制
動物福祉が盛んになってくることで犠牲になる命があることも知るべきことです。
例えばアメリカではピットブルやロットワイラーなど闘犬として繁殖された犬の飼育を禁止したり、
ウチの住む州では特定19種の犬種に対しては傷害事件を起こした際に
ほかの犬よりも厳しい罰則や処分を設けています。
この事で飼い主さんが見た目(かっこいい、強そう)だけで犬を選ばないように、
またこれらの犬種を飼育する責任感(トレーニングや社会化を徹底する)を持たせる意図があります。
そしてこれらの犬種に関しては檻に入れるなどの対策ではなく、
運動量をしっかり与える、愛玩動物として人のそばで暮らせるよう
愛情を持ってしっかりと育てる義務があります。
日本でも特定の犬種に関してはライセンス制にするなど、
頭数や飼育者を把握する対応をしていく必要が将来的に出てくると思います。

#6 生体展示販売やブリーダーさんの規制
企業や行政のところでも書きましたが
ペット販売業の取り締まりが厳しくなっても
すき間を狙ったペット販売業者の方はなかなか減りません。
水面下で売買や取引される犬猫たちをどのように把握、管理。
そして売り手の方をどのように規制していくのか。
海外の成功例や取り組みから考えると
「ペットは買わない!」と言う民度を高める
啓もう活動が長い目で見ると一番効果があるように思います。

#8 動物も暮らしやすい環境作り
近隣の方やペットオーナーさん同士のトラブルをどのように回避するか。
場所によっては犬猫の生体にそぐわない環境で飼育される動物も出てくると思います。
その犬猫たちがストレスをためる=問題行動が増える=環境や人間関係がもつれ始める
などの連鎖が始まり出すので、
動物と人が共生しやすい環境づくりやイベントなどを提案していく必要が
出てくる場面が増えてくるように思います。

#9 動物虐待の防止、対策
諸外国の動物愛護先進国でもなかなk減らない動物虐待。
保護動物を受け入れる受け皿が増えても、
飼育放棄する人同様に動物を虐待する人もなかなか減りにくいのが現実です。
時間はかかりますが動物の生態を教えたり、
博愛精神を育成する道徳の授業を教育に取り組むこと。
動物をあやめる人を罰するだけではなく、
更生をサポートする社会づくりが必要になってくると思います。
その更生にこそ動物が力を貸してくれるようにも思います。

・・・

過去三回の内容と重複するところもありますが、
やはり欠かせないのは国民の動物福祉の民度を上げること、
そのためには正しい情報を提供し続けることが必須に思えます。

目標にしていたことがスタート地点になったら、
本当に想像もしていなかった事が起こると思うので、
ウチもアメリカでですが動物福祉活動を通じて
これからも考え続けていきたいと思いまーす。
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プロフィール

Dear Paws

Author:Dear Paws
ライター&イエーな主婦&大学生
米国メリーランド州ボルチモア在住。シェルター(保健所)収容動物の引き取り&スラム街でのTNR(地域猫)活動など、アメリカで犬猫レスキュー活動中☆HSUS認定のEMERGENCY ANIMAL SHELTERING TRAINING(災害時動物支援&救援トレーニング)修了(2009年)。米国動物福祉NPO団体「Sunshine Smile」創立(2010年)。メリーランド神奈川県姉妹州委員会動物福祉コミッティ委員長(2013年)。記事や写真の転写&転載はお断りしています。リンクはフリーです☆

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名:ひなた(犬)女の子.享年15-18歳
シェパード&チャウなどイロイロMIX。
08年、WV州で保護され我が家にやってきた野良ワン。食べる時以外はほとんど座布団化してる究極の寝犬。見た目のわりに気が小さく、生後3か月のフォスター猫にも先住犬のポジションを奪われる。モーレツな肉球臭を発生中! 2018年8月逝去。

きんぎょ

名:きんぎょ(猫)女の子。推定11歳
キジトラ猫.08年11月、地域猫から我が家のネコに。納豆、こんにゃく、海草、蕎麦etc. が好きなベジタリアン猫で、洗面台で洗顔したり、二足立ちや「お座り」と不思議な技を次々と披露。 なかなかの猫格者(人格者)で、フォスター動物が一番信頼する存在。でもフォスター犬に襲われて以来、犬に対して攻撃的な態度を 見せることも。

KAYA

名:KAYA(犬)女の子。享年13歳
ラブ&シェパMIX.13年8月より最長記録で預かっているフォスター犬。飼育放棄で我が家へ来て、20キロ近いダイエットに成功。持病のほかに、人に慣れない、ほかの犬を襲うなど紆余曲折ありましたが、すっかり家族の一員。家族への愛情が誰よりも強い、優しい子。2015年10月、脾臓癌で急逝。

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