ウェブと老夫婦
- 2016-07/06 (Wed)
- 我が家を巣立った動物たち
トイレトレーニングがなかなか進まないウェブ(→前回)

にぎやかな子なので誤解されますが、性格はとってもいい子。
猫を追いかけても心配にならない犬はウェブが初めてでした。
そんなウェブに譲渡のアプリケーション(申し込み)を提出してきたのは、
60代後半の仕事をリタイアされたご夫婦でした。
犬のレスキューでは最初、
アプリケーションを書類上審査するボランティアがいます。
ここで犬に関する考え方、トレーニングの方法に偏りがないかチェックしたり、
家族を含む犯罪歴や、過去の動物の死亡暦、
獣医さんでの評判や推薦者の友人にも電話で質問します。
そのアプリケーションが通ると二人のボランティアが
ホームチェック(家庭訪問)と面接をします。
家は汚くないか、犬に危険なものはないか、
近隣の雰囲気は安全か。
近所の人に過去のペットの飼育をどんな風にしていたかなどを聞きます。
希望者はこの2段階をクリアーして初めて、
希望の犬に面会することが出来ます。
そして最終的な判断は犬を一番知っている
フォスターボランティアに任されます。
ちょっと失礼な言い方やけど普通、
手間や体力のかかる子犬や元気なワンコは
お年を召した方にはめったに譲渡しないんです。
ただ、提出されたアプリケーションは審査し、
記載された内容が良ければ
改めて譲渡希望者にマッチしそうな別の犬を
レスキューから提案するということをしています。
今回も最初レスキューは他の犬を勧めることを視野に入れて
このご夫婦のアプリケーションを審査したのですが、
ひょっとしたらウェブに合うんじゃないかと。
そしてホームチェックをした2人も、
「ちょっといいんじゃない」って。ほんま?
と言う事でまさかまさか、
トイレトレーニングが出来ていないわんぱくウェブを
このご夫婦とマッチングすることに!?
実は最初、ウチはこのご夫婦への譲渡に気が進みませんでした。
と言うのもウェブはトイレトレーニングが出来ていないだけでなく、
フォスターでも歴代1,2を争そうハイパー犬!
家の外でも中でもとにかく走る、吠える、壊す、飛び乗る。
ウェブの遊び相手になる犬たちがいる我が家でも手を焼くことがあるのに、
年配の方には荷が重いんじゃないかなーって。

庭に出したら1日中でも走り回るウェブ君、疲れ知らずです。
「電池はどこで抜くんやー」ってひっくり返してお腹をさする遊びが大好きです
確かにアプリケーションには
「元気な子」「健康でなるべく若い子」と書いてあるし、
犬に求める最低限のトレーニングはNOTHING(特になし)に
チェックがされているんですけど過去にも
譲渡前に間口が広い希望者の方で、
実際に犬と暮すと「やはり無理でした」と戻ってくるケースもたくさんありました。
それは相性の話で、誰かが悪かったことじゃないけど、
その事をギブアップととらえて自責の念にとらわれたり、
逆にレスキューから来た犬に悪い印象を持って
ブリーダーさんやオンラインで犬を買う人もいるので
願わくば最初のマッチングで良縁を結びたいところ。
そこで前もってウェブがどれだけエネルギッシュか、
トイレトレーニングがなかなか進まないことや、
ソファーにも飛び乗るし、家具も噛むし、毛布も破るし、
運動もたくさん、そして時間や忍耐もたくさん必要なことを正直にお伝えしました。
すると「ますますウェブに会いたくなった」とご夫婦でノリノリ。
ウチの英語、、、間違ってないよね^^;
数日後、ご夫婦そろってウェブに会いに来られました。
ウェブはすごくフレンドリーでかわいいのですが、ちょっとやりすぎてしまう傾向が。
この日もいつもの調子で吠え続け、ご夫婦の足に飛び掛り、
そしてソファーにジャンプして奥さんの膝や背中(と言うか頭)に飛び乗り、
腕にじゃれて甘え始めました。
「まぁ、この子やはりザッキみたいだわ」
ちょっと乱暴なウェブの出迎えにすごく嬉しそうな反応。
実はこのご夫婦、去年6歳になるラブラドールMIXの愛犬ザッキを癌で亡くされていたんですが、
すごく元気で長らく手のかかるワンコだったそうで、
その子が亡くなってからと言うもの家の中は暗いまま、
ずっと夫婦2人では悲しみを乗り切れなかったそうです。
自分たちの年齢を考えても最初、
成犬を引き取ろうとシェルターに通ったりもしたそうなんですが、
余計にザッキが恋しくなり、なかなか良い出会いがなかったそうです。
そこで近所に住む娘さん2人が
自分たちが後見人になるからザッキのような元気な子犬を探そうと、
ウェブをレスキューサイトで見つけられたそうです。
「ザッキと同じだわ。彼も留守中にこんな大きなソファーを破壊したことがあってね」
ザッキの思い出話を聞いていると、
トイレトレーニングの経緯や性格、習性はたしかにウェブと共通点が多いです。
そしてこのご夫婦がどれだけザッキを大切にしてきて、
今もザッキを思い続けているのかとても伝わってきました。
このご夫婦ならウェブを理解してくれるんじゃないかな。
ウェブにはこのご夫婦じゃないとダメなんじゃないかな。
わんぱくウェブを暖かく見守ってくれるご夫婦に
ウェブを託してみたくなりました。

それから数週間ごとにご夫婦から
ウェブの近況を知らせるメールが届くのですが、
「ウェブが来て家に光が戻ったよ」と。
トイレトレーニングは失敗もあるけど進歩もしていて、
毎日三人で長いお散歩に出かけたり、庭でボール遊びをしたり。
「手がかかるおかげで二人とも若返った、こんなに嬉しいことはない。
もう生きて出会えないと思ってたけど、ウェブと出会えた。
大切な家族を救ってくれてくれてありがとう」と
いつも感謝の気持ちがウェブの動画に添えられています。
仕事をリタイアされているので時間にもお金にも余裕があるし、
短時間でトイレサイクルがくるウェブにとって、いつも家にいるご夫婦はまさに理想。
若い夫婦にはない余裕と言うか、寛大さと言うか。
このご夫婦にとってウェブの失敗はいとおしさが増すだけで、
なんの問題でもないんですよね。
ウチもレスキューを続けてきて知らない間に、
元気な犬や子犬はエネルギッシュな若い人や体力のある人でないとアカンって
頭ごなしに思い込んでいたんです。
たくさん届くアプリケーションから飼い主さんを選ぶ時に
基準としてそれは間違いではないけども、
体力に代わる心の余裕や寛大があれば、
いろいろなハッピーエンドがあるのやなと、
頭をやわらかく柔軟に、レスキュー活動に励みたいなと思いました。



猫を追いかけても心配にならない犬はウェブが初めてでした。
そんなウェブに譲渡のアプリケーション(申し込み)を提出してきたのは、
60代後半の仕事をリタイアされたご夫婦でした。
犬のレスキューでは最初、
アプリケーションを書類上審査するボランティアがいます。
ここで犬に関する考え方、トレーニングの方法に偏りがないかチェックしたり、
家族を含む犯罪歴や、過去の動物の死亡暦、
獣医さんでの評判や推薦者の友人にも電話で質問します。
そのアプリケーションが通ると二人のボランティアが
ホームチェック(家庭訪問)と面接をします。
家は汚くないか、犬に危険なものはないか、
近隣の雰囲気は安全か。
近所の人に過去のペットの飼育をどんな風にしていたかなどを聞きます。
希望者はこの2段階をクリアーして初めて、
希望の犬に面会することが出来ます。
そして最終的な判断は犬を一番知っている
フォスターボランティアに任されます。
ちょっと失礼な言い方やけど普通、
手間や体力のかかる子犬や元気なワンコは
お年を召した方にはめったに譲渡しないんです。
ただ、提出されたアプリケーションは審査し、
記載された内容が良ければ
改めて譲渡希望者にマッチしそうな別の犬を
レスキューから提案するということをしています。
今回も最初レスキューは他の犬を勧めることを視野に入れて
このご夫婦のアプリケーションを審査したのですが、
ひょっとしたらウェブに合うんじゃないかと。
そしてホームチェックをした2人も、
「ちょっといいんじゃない」って。ほんま?
と言う事でまさかまさか、
トイレトレーニングが出来ていないわんぱくウェブを
このご夫婦とマッチングすることに!?
実は最初、ウチはこのご夫婦への譲渡に気が進みませんでした。
と言うのもウェブはトイレトレーニングが出来ていないだけでなく、
フォスターでも歴代1,2を争そうハイパー犬!
家の外でも中でもとにかく走る、吠える、壊す、飛び乗る。
ウェブの遊び相手になる犬たちがいる我が家でも手を焼くことがあるのに、
年配の方には荷が重いんじゃないかなーって。


「電池はどこで抜くんやー」ってひっくり返してお腹をさする遊びが大好きです
確かにアプリケーションには
「元気な子」「健康でなるべく若い子」と書いてあるし、
犬に求める最低限のトレーニングはNOTHING(特になし)に
チェックがされているんですけど過去にも
譲渡前に間口が広い希望者の方で、
実際に犬と暮すと「やはり無理でした」と戻ってくるケースもたくさんありました。
それは相性の話で、誰かが悪かったことじゃないけど、
その事をギブアップととらえて自責の念にとらわれたり、
逆にレスキューから来た犬に悪い印象を持って
ブリーダーさんやオンラインで犬を買う人もいるので
願わくば最初のマッチングで良縁を結びたいところ。
そこで前もってウェブがどれだけエネルギッシュか、
トイレトレーニングがなかなか進まないことや、
ソファーにも飛び乗るし、家具も噛むし、毛布も破るし、
運動もたくさん、そして時間や忍耐もたくさん必要なことを正直にお伝えしました。
すると「ますますウェブに会いたくなった」とご夫婦でノリノリ。
ウチの英語、、、間違ってないよね^^;
数日後、ご夫婦そろってウェブに会いに来られました。
ウェブはすごくフレンドリーでかわいいのですが、ちょっとやりすぎてしまう傾向が。
この日もいつもの調子で吠え続け、ご夫婦の足に飛び掛り、
そしてソファーにジャンプして奥さんの膝や背中(と言うか頭)に飛び乗り、
腕にじゃれて甘え始めました。
「まぁ、この子やはりザッキみたいだわ」
ちょっと乱暴なウェブの出迎えにすごく嬉しそうな反応。
実はこのご夫婦、去年6歳になるラブラドールMIXの愛犬ザッキを癌で亡くされていたんですが、
すごく元気で長らく手のかかるワンコだったそうで、
その子が亡くなってからと言うもの家の中は暗いまま、
ずっと夫婦2人では悲しみを乗り切れなかったそうです。
自分たちの年齢を考えても最初、
成犬を引き取ろうとシェルターに通ったりもしたそうなんですが、
余計にザッキが恋しくなり、なかなか良い出会いがなかったそうです。
そこで近所に住む娘さん2人が
自分たちが後見人になるからザッキのような元気な子犬を探そうと、
ウェブをレスキューサイトで見つけられたそうです。
「ザッキと同じだわ。彼も留守中にこんな大きなソファーを破壊したことがあってね」
ザッキの思い出話を聞いていると、
トイレトレーニングの経緯や性格、習性はたしかにウェブと共通点が多いです。
そしてこのご夫婦がどれだけザッキを大切にしてきて、
今もザッキを思い続けているのかとても伝わってきました。
このご夫婦ならウェブを理解してくれるんじゃないかな。
ウェブにはこのご夫婦じゃないとダメなんじゃないかな。
わんぱくウェブを暖かく見守ってくれるご夫婦に
ウェブを託してみたくなりました。


それから数週間ごとにご夫婦から
ウェブの近況を知らせるメールが届くのですが、
「ウェブが来て家に光が戻ったよ」と。
トイレトレーニングは失敗もあるけど進歩もしていて、
毎日三人で長いお散歩に出かけたり、庭でボール遊びをしたり。
「手がかかるおかげで二人とも若返った、こんなに嬉しいことはない。
もう生きて出会えないと思ってたけど、ウェブと出会えた。
大切な家族を救ってくれてくれてありがとう」と
いつも感謝の気持ちがウェブの動画に添えられています。
仕事をリタイアされているので時間にもお金にも余裕があるし、
短時間でトイレサイクルがくるウェブにとって、いつも家にいるご夫婦はまさに理想。
若い夫婦にはない余裕と言うか、寛大さと言うか。
このご夫婦にとってウェブの失敗はいとおしさが増すだけで、
なんの問題でもないんですよね。
ウチもレスキューを続けてきて知らない間に、
元気な犬や子犬はエネルギッシュな若い人や体力のある人でないとアカンって
頭ごなしに思い込んでいたんです。
たくさん届くアプリケーションから飼い主さんを選ぶ時に
基準としてそれは間違いではないけども、
体力に代わる心の余裕や寛大があれば、
いろいろなハッピーエンドがあるのやなと、
頭をやわらかく柔軟に、レスキュー活動に励みたいなと思いました。
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