保護猫はダブルキャリア
- 2019-05/07 (Tue)
- レスキュー活動雑記
今回は説明がとーーーっても長くなるので、
簡略バージョンを最初に、
詳細報告をその後に書いておきます。
アメリカの動物事情もより判ると思うので、
時間のある方は続けてお読みください^-^
・・・・・・・
寒波の前日に我が家に現れた外猫の近況報告です。
あれからウチのポーチが猫の常駐地になりまして、
手作りシェルターも使ってくれていました。


外猫に敵対心むき出しのきんぎょ。
ドア越しに威嚇&しっぽがタヌキみたいになっています。
敷地外にペットを出すことは法的に禁止されているので、
住宅街で猫を見かけることなんてめったにないし、
「飼い猫かな」とも思ってたんですが、
近所の人が集まるFBのグループページで
1年ほど前からいろんな家に出現していたことがわかりました。


写真を見る限り、
1年前は今よりも人に慣れていたみたいです。
ただやはり飼い主さんは分からず仕舞。
マイクロチップの有無を調べるためにも
保護することにしました。
ウチが日本に戻っていたり、
体調不良やクリニックが一時閉鎖したりして予定が延び延び、
先週、ようやく保護することができました!

TNRクリニックに連れて行くとやはり元飼い猫。
去勢済み&マイクロチップとタトゥも入っていました。
そして白血病と猫エイズのダブルキャリアであることも判明。
ほかの動物に噛まれた傷もあったので手当てをしてもらいました。
【簡略バージョン次のパラグラフでおしまい】
で、飼い主さんにも連絡が取れましたが、
「好きにしてくれ」と言うことで
新しい飼い主さんにもらわれました。
【ここから詳細報告になります】
アメリカは狂犬病があるので、
噛み傷があった野良猫を保護した場合、
市営の保健所にもレポートされます。
※過去にはウチが保健所にレポートされたことも^^;
すると偶然にもこの猫は、
電話をした保健所で1年半前にマイクロチップを挿入したことが判明。
(ここから譲渡されたのかチップだけ入れたのかは不明でした)
保健所の方によると、
本来、保健所でマイクロチップを入れた猫を保護したら
保健所に返す決まりなんだそうです。
ただ、保健所には白血病の猫を隔離する場所がなく、
連れてきてその場で飼い主さんと連絡が取れないと、
すぐに安楽死&頭を落として狂犬病の検査をしますとのこと。
(健康な迷子猫であれば狂犬病のモニターで4か月は生かしながら、
なるべく譲渡しているそうです)
それで違う選択枠として、
ウチが預かったまま飼い主さんの返事を3日待ち、
そのあと保健所が引き取って安楽死してもいいし、
元の場所にリリースしてもかまいませんよと言うお話でした。
(はっきり言及されませんでしたが会話の雰囲気で、
タトゥが入っている=どこかの保健所で去勢をしているので
その時に予防注射を接種しているはずなので
狂犬病の心配はしなくていいだろうと言うニュアンスでした)


(不妊手術直後のお腹)タトゥは再び開腹しないように
不妊去勢が済んだしるしとして入っています。
タトゥと言っても不妊手術の麻酔がきいている間に、
猫なら5mm-1cmくらいのインク(緑)をお腹に入れるだけ。
(最近は見かけませんが昔はマイクロチップの代わりに、
8桁くらいの長い数字がタトゥで入っていました)
怪我もしているし、
すぐに安楽死の決意もつかず家へ連れて帰りました。
この猫はもともと猫レスキューに移譲して
バーンハウスか里親さんを探す予定でしたが、
白血病と知ったレスキュー関係者の意見が真っ二つに分かれまして、
「ほかの猫に猫白血病が感染する」
「今死なせてやれば将来一人で苦しんで死ぬことがない」
と安楽死を選ぶ意見と、
「1年も放浪していたら既にほかの猫に感染してる」
「ほかのTNR猫は白血病かどうか知らないままリリースしてるんだから、
この子もいつも通りリリースすればいい」
とリリースを選ぶ意見。
今までブログに書いてなかったけど、
TNRでは2軒のクリニックを使い分けています。
頻繁に利用する市営のTNRクリニック(無料)では、
つかまえた猫(地域猫になる)の白血病とエイズの検査をしないで
元の場所にリリースするのが通常なんです。
で、この子みたいに保護した後に、
里親さんやバーンハウスに行く予定の猫たちは、
別の格安クリニックで不妊手術とテストをしているんです。

【追記】猫エイズと猫白血病のテストは通常コンボテストと呼ばれます。
(リリースする地域猫にコンボテストをしなくなった理由は
テストキッドや(猫白血病の子は通常)安楽死にも経費がかかる、
時間の削減が挙げられると思います)
なので自分でTNRをしているボラさんは後者の意見が多く、
安楽死を選ぶ意見の関係者とちょっとしたバトルが勃発。
もめ事が起こるとウチは当事者でありながらサーッと風のごとく消えていきます。
アメリカ人が抱く日本のイメージで表現すると”忍法”ってヤツです。
そしたら逃げたくノ一に文(テキスト)がたくさん届いて、
中にはかなり手厳しい内容もありました。
「・・・安楽死かリリースか」
ウチもこの数か月でこの子にはすっかり愛着があったので、
最初はリリース一択でしたが、
いろいろな意見や厳しい指摘を聞いているうちに、
はたしてそれがほんまにこの子やほかの猫にとっていい事なのか、
決心がつくまで寝れない夜を過ごしました。


室内の猫部屋にほかのフォスター猫がいたので、
この間は外の倉庫に隔離していました。
この11年間TNRで保護してきた猫白血病の子らは
「今回こそ万事休す」と思いながらも、
運よく新しい家族を見つけてきました。
この猫が家に現れた事は動物の神さまの計らいのはず。
動物ってどんななっても生きることしか考えませんからね。
ほかの人がどうこう言ったり思ったりしても、
ウチが信じる気持ちを固めればまた奇跡が起こるんじゃないかなと、
安楽死もリリースもしないで3つ目の選択。
この子にも新しい居場所を探すことに決めました。
(ほんまに出来るかなってまだ寝れない夜は続きました^^;)
ただ、この倉庫にいつまでも隔離できればいいんですが、
まもなく倉庫の気温が45度を超える季節。
この子が倉庫にいれる日数も限られていました。
動物を助けるために必要なのは場所と時間。
場所さえあれば時間も出来ます。
以前、白血病の猫の里親さんになってくれた友人が
気温が上がった時には保護場所を提供してくれることになりました。
これで場所&時間もできたし一安心、めっちゃ寝たわ!
今回はエイズと白血病のダブルキャリアで、
人懐っこいかどうかもわからなかったので
一般の方への譲渡はしない方針で固めました。
それで数日後、TNR仲間に紹介してもらった
保護した白血病の猫を終生飼育している活動家の女性に
この猫の生涯における餌代&治療費と、
ちょっとした海外旅行程度の寄付をする条件で、
この猫を引き取ってもらえることになりました!


新しいお家に送り届ける車の中で。
最後の怖い時間は幸せの直前!もう少しの辛抱やでー!
この女性の良い評判はかねてから聞いていました。
(それでも猫の安全のため寄付金は
写真付きの近況報告が届くたびに分割で払う約束にしました)
ウチの家からは遠方のため中間地点で猫を引き渡しましたが、
実際に白血病の猫を彼女の家に連れてった友人によると、
飼育されている猫は牧場を改装した大きな家を自由に行き来し、
すべての猫に温熱ベッドが与えられ、
フードには免疫をつけるビタミンや乳酸菌が混ぜられているとのこと。
また地元のシェルターに敷地を無料で貸していて、
TNRした猫のリカバリールームに提供していたり、
ご自身もTNR活動をし、
白血病の野良猫を終生飼育されていることも分かりました。
ただ十分な世話がすべての猫に行き届くようにと
受け入れ頭数を制限されていましたが、
今回は特別に引き取ってもらえることに。
リアルなことを正直に書くと、
動物を助けるために必要なのは、
時間と場所とそして、お金!!!!
むぅ、うははははぁーーーーー!!!!
(↑こういう発言をするとなぜか出てくる守銭奴的な笑い声)
寄付金もこの方ならほかの動物へと還元されると思います。
金銭感覚は主婦なんで普段はクーポン券を駆使したり、
2,3ドルの差額にも目ん玉を光らせていますが、
こう言う生きるお金の使い方は気持ちいいんですね、そっかー☆
関連記事:アメリカの寄付事情、様々な寄付の形
明日から再び、夫の財布を忍術でこっそり操りながら、
次の白血病猫や行き場のない動物のために備えたいと思いますー!
簡略バージョンを最初に、
詳細報告をその後に書いておきます。
アメリカの動物事情もより判ると思うので、
時間のある方は続けてお読みください^-^
・・・・・・・
寒波の前日に我が家に現れた外猫の近況報告です。

あれからウチのポーチが猫の常駐地になりまして、
手作りシェルターも使ってくれていました。




ドア越しに威嚇&しっぽがタヌキみたいになっています。
敷地外にペットを出すことは法的に禁止されているので、
住宅街で猫を見かけることなんてめったにないし、
「飼い猫かな」とも思ってたんですが、
近所の人が集まるFBのグループページで
1年ほど前からいろんな家に出現していたことがわかりました。




1年前は今よりも人に慣れていたみたいです。
ただやはり飼い主さんは分からず仕舞。
マイクロチップの有無を調べるためにも
保護することにしました。
ウチが日本に戻っていたり、
体調不良やクリニックが一時閉鎖したりして予定が延び延び、
先週、ようやく保護することができました!


TNRクリニックに連れて行くとやはり元飼い猫。
去勢済み&マイクロチップとタトゥも入っていました。
そして白血病と猫エイズのダブルキャリアであることも判明。
ほかの動物に噛まれた傷もあったので手当てをしてもらいました。
【簡略バージョン次のパラグラフでおしまい】
で、飼い主さんにも連絡が取れましたが、
「好きにしてくれ」と言うことで
新しい飼い主さんにもらわれました。
【ここから詳細報告になります】
アメリカは狂犬病があるので、
噛み傷があった野良猫を保護した場合、
市営の保健所にもレポートされます。
※過去にはウチが保健所にレポートされたことも^^;
すると偶然にもこの猫は、
電話をした保健所で1年半前にマイクロチップを挿入したことが判明。
(ここから譲渡されたのかチップだけ入れたのかは不明でした)
保健所の方によると、
本来、保健所でマイクロチップを入れた猫を保護したら
保健所に返す決まりなんだそうです。
ただ、保健所には白血病の猫を隔離する場所がなく、
連れてきてその場で飼い主さんと連絡が取れないと、
すぐに安楽死&頭を落として狂犬病の検査をしますとのこと。
(健康な迷子猫であれば狂犬病のモニターで4か月は生かしながら、
なるべく譲渡しているそうです)
それで違う選択枠として、
ウチが預かったまま飼い主さんの返事を3日待ち、
そのあと保健所が引き取って安楽死してもいいし、
元の場所にリリースしてもかまいませんよと言うお話でした。
(はっきり言及されませんでしたが会話の雰囲気で、
タトゥが入っている=どこかの保健所で去勢をしているので
その時に予防注射を接種しているはずなので
狂犬病の心配はしなくていいだろうと言うニュアンスでした)




不妊去勢が済んだしるしとして入っています。
タトゥと言っても不妊手術の麻酔がきいている間に、
猫なら5mm-1cmくらいのインク(緑)をお腹に入れるだけ。
(最近は見かけませんが昔はマイクロチップの代わりに、
8桁くらいの長い数字がタトゥで入っていました)
怪我もしているし、
すぐに安楽死の決意もつかず家へ連れて帰りました。
この猫はもともと猫レスキューに移譲して
バーンハウスか里親さんを探す予定でしたが、
白血病と知ったレスキュー関係者の意見が真っ二つに分かれまして、
「ほかの猫に猫白血病が感染する」
「今死なせてやれば将来一人で苦しんで死ぬことがない」
と安楽死を選ぶ意見と、
「1年も放浪していたら既にほかの猫に感染してる」
「ほかのTNR猫は白血病かどうか知らないままリリースしてるんだから、
この子もいつも通りリリースすればいい」
とリリースを選ぶ意見。
今までブログに書いてなかったけど、
TNRでは2軒のクリニックを使い分けています。
頻繁に利用する市営のTNRクリニック(無料)では、
つかまえた猫(地域猫になる)の白血病とエイズの検査をしないで
元の場所にリリースするのが通常なんです。
で、この子みたいに保護した後に、
里親さんやバーンハウスに行く予定の猫たちは、
別の格安クリニックで不妊手術とテストをしているんです。



(リリースする地域猫にコンボテストをしなくなった理由は
テストキッドや(猫白血病の子は通常)安楽死にも経費がかかる、
時間の削減が挙げられると思います)
なので自分でTNRをしているボラさんは後者の意見が多く、
安楽死を選ぶ意見の関係者とちょっとしたバトルが勃発。
もめ事が起こるとウチは当事者でありながらサーッと風のごとく消えていきます。
アメリカ人が抱く日本のイメージで表現すると”忍法”ってヤツです。
そしたら逃げたくノ一に文(テキスト)がたくさん届いて、
中にはかなり手厳しい内容もありました。
「・・・安楽死かリリースか」
ウチもこの数か月でこの子にはすっかり愛着があったので、
最初はリリース一択でしたが、
いろいろな意見や厳しい指摘を聞いているうちに、
はたしてそれがほんまにこの子やほかの猫にとっていい事なのか、
決心がつくまで寝れない夜を過ごしました。




この間は外の倉庫に隔離していました。
この11年間TNRで保護してきた猫白血病の子らは
「今回こそ万事休す」と思いながらも、
運よく新しい家族を見つけてきました。
この猫が家に現れた事は動物の神さまの計らいのはず。
動物ってどんななっても生きることしか考えませんからね。
ほかの人がどうこう言ったり思ったりしても、
ウチが信じる気持ちを固めればまた奇跡が起こるんじゃないかなと、
安楽死もリリースもしないで3つ目の選択。
この子にも新しい居場所を探すことに決めました。
(ほんまに出来るかなってまだ寝れない夜は続きました^^;)
ただ、この倉庫にいつまでも隔離できればいいんですが、
まもなく倉庫の気温が45度を超える季節。
この子が倉庫にいれる日数も限られていました。
動物を助けるために必要なのは場所と時間。
場所さえあれば時間も出来ます。
以前、白血病の猫の里親さんになってくれた友人が
気温が上がった時には保護場所を提供してくれることになりました。
これで場所&時間もできたし一安心、めっちゃ寝たわ!
今回はエイズと白血病のダブルキャリアで、
人懐っこいかどうかもわからなかったので
一般の方への譲渡はしない方針で固めました。
それで数日後、TNR仲間に紹介してもらった
保護した白血病の猫を終生飼育している活動家の女性に
この猫の生涯における餌代&治療費と、
ちょっとした海外旅行程度の寄付をする条件で、
この猫を引き取ってもらえることになりました!




最後の怖い時間は幸せの直前!もう少しの辛抱やでー!
この女性の良い評判はかねてから聞いていました。
(それでも猫の安全のため寄付金は
写真付きの近況報告が届くたびに分割で払う約束にしました)
ウチの家からは遠方のため中間地点で猫を引き渡しましたが、
実際に白血病の猫を彼女の家に連れてった友人によると、
飼育されている猫は牧場を改装した大きな家を自由に行き来し、
すべての猫に温熱ベッドが与えられ、
フードには免疫をつけるビタミンや乳酸菌が混ぜられているとのこと。
また地元のシェルターに敷地を無料で貸していて、
TNRした猫のリカバリールームに提供していたり、
ご自身もTNR活動をし、
白血病の野良猫を終生飼育されていることも分かりました。
ただ十分な世話がすべての猫に行き届くようにと
受け入れ頭数を制限されていましたが、
今回は特別に引き取ってもらえることに。
リアルなことを正直に書くと、
動物を助けるために必要なのは、
時間と場所とそして、お金!!!!
むぅ、うははははぁーーーーー!!!!
(↑こういう発言をするとなぜか出てくる守銭奴的な笑い声)
寄付金もこの方ならほかの動物へと還元されると思います。
金銭感覚は主婦なんで普段はクーポン券を駆使したり、
2,3ドルの差額にも目ん玉を光らせていますが、
こう言う生きるお金の使い方は気持ちいいんですね、そっかー☆
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明日から再び、夫の財布を忍術でこっそり操りながら、
次の白血病猫や行き場のない動物のために備えたいと思いますー!
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